【セッションレポート|阪急阪神のオフィスサミット2025】働く人々のリアルと大学生のリアルを考える〜大学生との交流による学び〜
2025年11月5日・6日の2日間にわたり、大阪梅田ツインタワーズ・サウスにて「阪急阪神のオフィスサミット2025」が開催されました。本サミットは、“働く場の価値を再定義する” をテーマに、企業の人的資本経営、働き方、ワークプレイス戦略、コミュニティ形成、災害対策、大学との連携など、オフィスにまつわる幅広いテーマを扱ったイベントです。会場には多様な業種のワーカーや企業担当者が集まり、講演・見学ツアー・交流会を通じて、これからのオフィスが果たす役割について活発な議論が行われました。
本記事では、サミット当日の各セッション内容を、講演の背景・主張・示唆を中心にレポートとしてまとめています。阪急阪神ビルマネジメントが考える“働く場の価値づくり”の視点とともに、参加者にとって印象的であったポイントを紐解いていきます。
■ SESSION INFORMATION | セッション⑦
- 【開催日】
- 2025年11月6日
- 【会場】
- WELLCO(大阪梅田ツインタワーズ・サウス内)
- 【テーマ】
- 働く人々のリアルと大学生のリアルを考える
〜大学生との交流による学び〜
大学生と社会人が“本音”でつながる場
セッション⑦は本サミットの中でも特にユニークな試みでした。
今回のワークをファシリテートしたのは、共創空間「Open Innovation Biotope “bee”」を運営するオカムラとTOPPANのメンバーです。
両社は普段から「企業 × 市民 × 学生」が混ざり合うワークショップを各地で開催しており、その“出張版”が今回の特別セッションとして組み込まれました。
当日の会場では、社会人と大学生が同じテーブルに着席し、挨拶と簡単な自己紹介からイベントがスタートしました。冒頭パートでは両社の紹介と併せて「本日のアジェンダ」が共有され、参加者が自然と“対話モード”へ移行できるよう丁寧に設計されていました。
本セッションの目的は、企業と学生の距離を縮めることではなく、“互いの本音と価値観を理解し合うこと”。
そのうえで、未来の働き方や理想のオフィスを、参加者同士の対話から浮かび上がらせることを狙いとしたセッションでした。
「エンゲージメントカード」で価値観を可視化する
最初のワークは「エンゲージメントカード」と呼ばれる価値観共有ゲームでした。
カードには「挑戦」「安定」「成長」「自由」「信頼」「貢献」「仲間」など、多様な価値観を象徴する言葉が書かれており、参加者は“惹かれないカードを手放し、残したカードについて語る”というシンプルなルールで進行します。
興味深かったのは、このゲームが単なるアイスブレイクではなく、ここから本音トークへ自然につながる「共通言語」を作っている点でした。
- 学生が「自分は“挑戦”を残した。就職活動の不安はあるけれど、自分で選択肢を広げたい」
- 社会人は「“信頼”を残した。仕事は期待に応える連続だから」
など、お互いの背景や想いが短い説明の中に表れていました。
こうした価値観の可視化は、世代が違う者同士が対話する際に非常に有効な手法であることが改めて示されていました。
テーマ①:社会人と学生、双方の“やっておけばよかったこと”
本音トークの最初のテーマは、「学生時代にやっておけばよかったこと/今取り組んでいること」。
社会人側からは、
- 社会に出る前に“自分の好きなこと”を深掘りしておけばよかった
- もっといろんな大人に会い、多様な職種を知っておくべきだった
- 正解がないテーマに取り組む経験を学生のうちにしてほしい
といった率直な意見が挙がりました。
一方、学生側からは、
- 大人と話す機会が少ないまま就活を迎える不安
- 働くことのリアルをもっと知りたい
- 自分の価値観が社会でどう活かせるのか知りたい
といった声が丁寧に語られ、場に緊張ではなく“学びの温度”が広がっていました。
動画の様子からも分かる通り、単なる質問会ではなく、「誰もが語り、誰もが聞く」構造になっていたことがこのセッションの大きな特徴でした。
テーマ②:理想の働き方と理想のオフィスを語り合う
本音トークの後半テーマは「理想の働き方/理想のオフィス空間」。
価値観カードや前半トークで場がほぐれたことにより、ここからは参加者同士の議論が一気に深まりました。
社会人からは、
- 場所に縛られず、集中と交流の切り替えがしやすい働き方
- オフィスは“帰ってきたくなる場所”であってほしい
- 上司・同僚と適切な距離感を保てる空間が大事
といった意見が出されました。
学生の意見も非常に興味深いものでした。
- 仕切りすぎない開放的な空間で働きたい
- 上の世代と気軽に相談できる環境が理想
- コミュニティの感覚があるオフィスに強く惹かれる
- 「自分が成長できる場所かどうか」が働く環境の判断軸になる
このように、学生の視点は“働く意味そのもの”にまっすぐ向いており、参加していた社会人にとっても気づきの多い時間になっていました。
世代を超えて“働く意味”を問い直す時間
セッション後半はネットワーキングの時間として、学生と社会人が自由に交流する場が設けられました。
最後には「信頼でつながる。一緒に共創しましょう!」というメッセージがあったように、このセッションの本質は“関係性づくり”にあります。
単に講演を聞くだけでは得られない「リアルな声」に触れ、世代を越えて働き方を考える機会が創出されたことは、本サミットの“多様な視点からワークプレイスを考える”というテーマに見事に重なっています。
まとめ
本セッションで特に印象的だったのは、企業・学生・社会人が対等に言葉を交わすことで、互いの価値観が磨かれていくプロセスそのものでした。
働き方の課題は、制度や技術だけでは解決できません。
「どんな価値観で働きたいのか」「どんな場なら力を発揮できるのか」。
その問いに向き合うためには、世代を越えた率直な対話が不可欠であると感じさせられました。
今回のワークショップは、オフィスを「人が出会い、価値観を共有し、新しい働き方を描く場」として捉え直す貴重な時間となりました。
学生の言葉に社会人が刺激を受け、社会人の経験が学生の未来の視点を開く──。
この循環こそが、阪急阪神が届けようとする“共創の価値”であり、次世代の働く場の在り方を考えるヒントとなるセッションでした。
※掲載内容は取材当時のものです。




