オフィスの座席は固定席とフリーアドレスのどっちがいい?
固定席とフリーアドレスの違いは?
オフィス環境の整備は会社の生産性や従業員の満足度に直結する重要な要素です。座席運用において、固定席とフリーアドレスのどちらを選ぶか悩む企業も多いでしょう。
固定席は部署内でのコミュニケーションの活性化や個々のスペース確保に優れますが、スペース効率が悪くなりがちです。フリーアドレスは柔軟な働き方やスペースの有効活用が可能ですが、チームの一体感が不足するといった課題もあります。一方で、部署ごとに座席配置を行うグループアドレスは、双方をハイブリッドした働き方が可能です。
今回は、これらの運用方法の違いとそれぞれのメリット・デメリットを解説します。どの運用方法が自社に適しているかを判断するための参考にしてください。
固定席とフリーアドレスのメリット・デメリットを比較
オフィスの座席運用を見直す際、固定席とフリーアドレスのどちらが自社に適しているかを検討することが重要です。このセクションでは、固定席とフリーアドレスのメリット・デメリットを比較し、自社に最適な運用方法を選ぶためのポイントを解説します。
固定席の特徴
固定席では、各従業員が専用の作業スペースを持つことで、安定した作業環境が提供されます。一方で、実際には外出やリモートワークで不在のことが多い場合は、デスクが空いている時間が増えるため、スペースの無駄遣いになる可能性があります。
固定席のメリット・デメリット
固定席を導入するメリット・デメリットは以下の通りです。
固定席のメリット | 固定席のデメリット |
---|---|
チーム内のコミュニケーションが促進される 部署やチームで席をまとめることで、コミュニケーションが増えます。 |
デスクの上に書類がたまる 書類や荷物がデスク上に溜まり、作業スペースが雑然とすることがあります。 |
従業員からの理解が得やすい 自分の席を探す手間や荷物を運ぶ手間がないため、従業員からのハレーションが生まれにくいです。 |
組織変更や増員に伴うコストが増加する 組織変更や増員のたびにレイアウト変更が必要となり、その頻度が高くなることで、コストの増加につながります。 |
社内コラボレーションが円滑になる 座席表を共有することで、どこに誰がいるかを把握しやすく、他部署との連携が円滑に行えます。 |
他部署との偶発的な交流が生まれにくい 部署内でのコミュニケーションに限定されることもあり、他部署との自然な交流が不足しがちになる場合があります。 |
固定席では、専用のデスクが確保されるため、個々の集中力が高まりやすい一方で、他部署との偶発的なコミュニケーションが不足しがちになる傾向にあります。
フリーアドレスの特徴
フリーアドレスは特定の席を持たず、オフィス内の空いている座席を自由に選んで業務を行う運用方法です。各従業員が作業環境に合わせて、好みの座席を選択出来るメリットがある一方で、座席の争奪戦が生じやすくなり、従業員の満足度が低下することも考えられます。
フリーアドレスのメリット・デメリット
フリーアドレスを導入するメリット・デメリットは以下の通りです。
フリーアドレスのメリット | フリーアドレスのデメリット |
---|---|
部署を越えた交流が生まれやすい 部署を越えた偶発的な交流が増えることで、創造性が促進され、新しいアイデアが生まれやすくなります。 |
チームの一体感や帰属意識が薄れる 毎日異なる場所で働くため、チームメンバーとの日常的な接触が減ることによる、一体感の希薄化やチームへの帰属意識も低下する懸念があります。 |
省スペース化とコスト削減の実現が可能となる 必要最低限の座席数とすることでスペースを効率的に使うことができ、コスト削減につながります。 |
座席確保の競争によりストレスが増加する 各従業員の好みの席を巡る争いがストレスの原因となり、従業員の満足度が低下する場合があります。 |
働きやすさが向上する オフィス内の好きな場所で働けるため、仕事の内容や気分に合わせた選択をすることで、効率アップや精神的なリフレッシュにつながります。 |
従業員から理解を得にくい 座席を共有するため、日々の整理整頓が必要、かつプライバシーの確保が難しいことから、従業員の満足度が低下する場合があります。 |
フリーアドレスでは、従業員が気分や業務内容に応じて座席を選ぶことができるためリフレッシュ効果が期待できる一方で、資料の置き忘れ・紛失などのリスクも伴います。
応用編:グループアドレスの活用
グループアドレスは、部署やチームごとにエリアを決めて、その中で自由に席を選ぶ運用方法です。この方法は固定席とフリーアドレスの良いとこ取りであり、従来の個人デスクがないため、多様なコミュニケーションが生まれます。
ただし、部署内のコミュニケーションに偏る可能性がある点、選べる席が限られる点がデメリットです。チームによっては空席が生まれてしまったり、満席になるチームもあり、スペースのバランスが難しい場合もあります。
グループアドレスは、フリーアドレスのトライアルとして導入する企業も多く、柔軟な働き方を模索する過程で、業務効率の向上を図ることができます。
固定席での運用に向いている企業の特徴
固定席での運用メリット・デメリットを踏まえて、どのような企業に向いているかについて解説します。
機密性の高い情報を扱う企業
機密性の高い情報を扱う企業にとって、固定席の導入は非常に有効です。フリーアドレスの場合、さまざまな従業員が同じ場所で作業を行う可能性があるため、情報が多くの人の目に触れるリスクがあります。固定席にすれば、従業員ごとに専用のデスクを設けることで、機密情報を安全に管理しやすくなります。
書類の取り扱いが多い企業
専用デスクのため、書類の整理や管理が容易になり、業務効率が向上します。また、フリーアドレスでは離席時や帰宅時に、毎回書類を整理する必要がありストレスが溜まりますが、固定席ならその負担が軽減されます。
チーム内での密なコミュニケーションを重視したい企業
固定席は、チーム内の密なコミュニケーションが求められる環境に適しています。部署やチームごとにまとまった席を配置することで、日常的なコミュニケーションが増え、協力が促進されます。これにより、プロジェクトの進行や問題解決が円滑に行われるようになります。
フリーアドレスでの運用に向いている企業の特徴
フリーアドレスでの運用メリット・デメリットを踏まえて、どのような企業に向いているかについて解説します。
フレキシブルな働き方を推進する企業
フリーアドレスは、フレキシブルな働き方を推進する企業に最適です。従業員が自分の席を自由に選べるため、オフィススペースの効率的な利用が可能です。リモートワークやオフィス出社を組み合わせたハイブリッド勤務が可能な場合、全員分の席を用意する必要がなく、省スペース化が実現します。
部署を越えたコミュニケーションを重視したい企業
特定の席を持たないことで、異なる部署の従業員と自然にコミュニケーションを取る機会が増え、新しいアイデアや協力関係が生まれやすくなります。これにより、組織全体の連携が強化されます。
スペースの効率的な活用を重視する企業
スペースの効率的な活用を重視する企業には、フリーアドレスが適しています。限られたオフィススペースを有効に使うことができ、コスト削減が可能です。プロジェクトが多岐にわたり、頻繁にチームが変わる企業や、ジョブローテーションを行う企業にも、柔軟な座席配置が適応力を高めます。
まとめ
今回は、固定席とフリーアドレスそれぞれの特徴、メリット・デメリットについて詳しく解説しました。固定席は、安定した作業環境を重視する企業に向いています。一方、フリーアドレスは、柔軟な働き方や部署を越えたコミュニケーションを重視する企業に適しています。
自社のワークスタイルや業務内容に応じて、最適な座席運用方法を選択することで、従業員の満足度や業務効率を最大化しましょう。
阪急阪神のオフィスでは、多様なニーズに応えるオフィスビルを提供しています。オフィス環境の変更や課題をご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。