【未来が拡がるオフィス選びのヒント】充実した専用フロアで大注目の『大阪梅田ツインタワーズ』~オフィストレンドセミナーレポート

2025年1月21日、『大阪梅田ツインタワーズ・サウス』にて開催されたオフィストレンドセミナーに、株式会社HATARABA 大阪支店主任 コンサルタント 佐藤大輝氏、阪急阪神ビルマネジメント株式会社 オフィス営業部 次長 山口悟史氏が登壇しました。
働き方の多様化に合わせてオフィスの役割も変化しています。近年は、従業員エンゲージメントや生産性の向上、ブランディングや採用の強化が重視されるなど、人的資本経営を支える基盤としての要素が強くなってきています。
本セミナーでは、オフィスビルで叶える充実したオフィス環境や大阪主要エリアのオフィストレンドなど、これからのオフィス選びで押さえておくべきポイントを解説。今回は、そのセミナーの様子をレポートします。
未来に繋がるオフィス戦略とは~オフィス選びからみる、よりよいオフィスづくりのヒント~

“よりよいオフィス”と言うと、広くて綺麗なオフィスや生産性が上がる設備の整ったオフィスなどをイメージすることが多いと思いますが、実際は、明確な基準があるわけではありません。よりよいオフィスをつくるには、自社の企業規模や戦略、採用、従業員満足度、コストパフォーマンスなど、さまざまな観点からオフィス戦略を構築し、選定していく必要があります。
コロナ禍を経て進化したオフィストレンド
オフィストレンドはこの5年間で大きく変化しました。コロナ前は出社が当たり前でしたが、コロナ禍に入ってリモートワークが普及、コロナ禍中期にはリモートワークが定着しました。アフターコロナになると、企業側が出社を望んでも、リモートワークが定着したことで出社への切り替えが難しくなるといった問題が発生。昨年には、リモートワーク主体の従業員に出社を促す“出社回帰”の動きも進みました。出社が当たり前になった現在でも、WEB会議の導入など、DXの取り組みが進んでおり、出社のあり方、考え方、オフィスの価値観はコロナ禍前と大きく異なっています。
2024年11月に株式会社HATARABAが実施した「出社するメリット」に関するWEBアンケート調査では、「上司・先輩や業務で関わる人に対面で仕事の相談や気軽な打ち合わせができる」「働きやすい環境が整っている」「集中しやすい」という回答が上位を占めました。この結果からもわかる通り、現在は出社することに対してメリットを感じてもらえるような付加価値の高いオフィスがトレンドになっています。

したがって、人数、予算、面積、コストといった物理的要素だけで空間を選択するのではなく、従業員エンゲージメントやモチベーション、働きやすさ、生産性の向上といった心理的要素も含めて自社に合ったオフィス戦略を立てることが大切であると佐藤氏は語ります。
弊社大阪支店の移転実例
2024年10月に拡張移転した弊社大阪支店の事例を紹介します。
大阪支店は2011年にわずか10坪というマンションの一室からスタートし、2015年には南本町にある約33坪のオフィスへ、そして2024年には備後町にある約74坪のオフィスと移転しました。以前は、いわゆる島型レイアウトのよくあるオフィスでしたが、新しいオフィスは立地、面積、予算、従業員の声、働きやすさの5大要素を考慮して戦略を立て、つくり上げていきました。
5大要素の中で最も重視したのは立地です。弊社は内覧や物件の案内など、人の行き来が多い業務を行っていますし、社員の通勤が不便にならないことも踏まえて、各方面にアクセスしやすい駅近の立地を選択しました。
面積については、必要スペースだけではなく、今後の人員増加も見据え、リフレッシュスペースや集中ブースなど、これまでにはない新しい空間も取り入れた上で少し広めに確保しました。
さらに、エントランスをオシャレなしつらえにし、フリーアドレスも導入。移転後に発生した課題については現在改善中であり、運用上のルール変更なども随時行っています。
移転後に実施した社員アンケートでは、「リフレッシュスペースのおかげでコミュニケーションが取りやすくなった」「他部署の人との会話が増えた」「出社したくなるオフィスになった」「綺麗なオフィスで働けることで気持ちが上がった」などの回答が寄せられ、従業員満足度が大きく改善されました。
先ほどのWEBアンケート調査とこれらの事例を踏まえると、「働きやすい空間には人が集まり、人が集まれば相談もしやすくなり、オフィスの価値が高まる」という流れがみえてきます。つまり、「働きやすいオフィスには人が集う、人が集うからオフィスで働きたくなる」という好循環が生まれるのです。
“よりよい”オフィス選びのポイント
最後に、佐藤氏は、よりよいオフィス選びのコツを3つにまとめて紹介し、この講演を締めくくりました。

よりよいオフィスづくりを考える皆様には、まず、オフィス市況やトレンドといった「最新の情報」を集め、「自社の現状課題と未来」をしっかり検討した上で、それぞれのオフィス戦略を立てることから始めてほしいと思います。
阪急阪神ワーカーズサービスの10年間とこれから

昨今のオフィスのトレンドとして、ワーカー(従業員)の出社回帰、社内のコミュニケーション強化が注目を集めています。そうしたトレンドの中、阪急阪神ワーカーズサービスは、ワーカーが参加したくなるようなイベントを開催し、出社を後押しする施策やコミュニケーションの活性化を図るイベントを多数展開しています。講演では、その中からオフィス戦略の立案やオフィス選びの参考になるいくつかの事例を、山口氏が紹介しました。
阪急阪神ワーカーズサービスの概要と誕生の背景
まずは、阪急阪神ワーカーズサービスの概要とワーカーズサービスを始めた背景からお話します。
阪急阪神ワーカーズサービスは、阪急阪神グループのオフィスビルで働くワーカー限定で、Biz-tainment~働くを面白くする!~をテーマに、1)Well-being(交流)、2)Benefit(優待)、3)Information(情報)を軸にサービスを展開しています。
事業を開始した2015年は、ちょうど働き方改革やワークライフバランスが注目されるようになった時期で、ワーカーの皆さん一人ひとりが輝きながら働ける、そんなサポートができないかという発想からこのサービスが始まりました。
サービスを始めるにあたり、当時のテナントのワーカーにアンケートを実施し、その結果をもとに、3つの価値を提供できると考えました。1つ目が、スキルアップや自己研鑽を通して人を育む「人財育成」、2つ目が、文化・教養を高めることで自分を磨く「文化発信」、3つ目がステータス性や利便性、快適性など、そこで働く価値を感じさせる「快適環境」です。

そして、目的やサービス対象を明確にし、一般のワーカー向けから拠点長・経営層向けまで、さまざまなイベントを開催しました。けれども、サービス開始当初はイベントごとに会場を変えていたこともあって認知が進まず、集客に大苦戦。それでも何とか開催を継続しましたが、コロナ禍に見舞われ、対面でのイベントはおろか、出社もできないという状況に。サービスの存在自体が危うくなりました。
そんな中、2022年にようやく転機が訪れました。大阪梅田ツインタワーズ・サウスの12階に、オフィスワーカー専用のフロア「WELLCO(ウェルコ)」がオープンしたのです。このWELLCOを活動拠点とし、各種のイベントを開催することで、ワーカーの認知が一気に広がり、イベント参加者数も飛躍的に伸びました。
実際に行われたイベントやサービス
実際のイベント・サービスの事例をいくつか紹介します。
1つが、気象予報士の蓬莱大介さんがMCを務める「蓬莱さんと朝活」。これは、ワーカーの皆さんに朝の時間を有効活用する習慣をつけてもらうための朝食付きのイベントで、7時45分スタートという時間帯ながら、毎回200名以上の応募がある大人気のイベントです。
歴史文化哲学から生きる知恵を養う「いきるチカラ」も人気が高く、青山学院大学陸上競技部監督の原晋氏を招いた回では200名近くが参加。原監督の人生哲学などもお話いただき、参加者からは「明日から頑張ろうという活力が得られた」という声も寄せられました。
社内研修では学べない仕事で活きるHOWを養う「はたらくチカラ」では、WBC(Worker’s Business Community)1期生として参加者を募り、人との付き合い方について学ぶ全6回の講義を行いました。現在、WBCは2期目に入っていますが、1期のメンバーは今でも定期的に勉強会を開催するなど、活気のあるコミュニティに進化しています。
サークル活動や趣味の講座などを通して豊かな人間力を養う「たのしむチカラ」では、ランニングサークルが立ち上がり、初心者から上級者まで、40社40名以上のメンバーが登録、月1程度で活動を続けています。他にも、映画部やボードゲーム部など、8つのサークルが立ち上がり、自主的に活動。いずれのサークルも事務局は介在せず、毎月5000円を上限に活用費用を補助しています。

次に、優待について紹介します。通常の機能に加え、オフィスワーカー限定の特典が受けられるワーカー専用の阪急阪神おでかけカードを発行。現在、梅田エリアを中心に約400店舗で利用可能となっています。
こうしたイベント・サービスの利用状況は年々上向き傾向にあり、特に「WELLCO」オープン以降はイベント参加者が急増。2023年度の参加者数は延べ3,500人で、阪急阪神のオフィスビルで働く全ワーカー(約35,000名)の10人に1人は何らかのイベントに参加している計算です。
参加者の年代は30〜50代が多く、満足度は97.4%。中でも特に満足度が高かったイベントは、「大人のロボコン」「味わう、日本酒」「セルフパーソナルカラー診断」で、社内の一体感醸成、エンゲージメント強化、ワーカー自身のQOL向上に大きく貢献できました。
イベントから生まれた好循環
参加者アンケートでも、「社内の一体感醸成につながった」「異業種交流ができた」「気持ちのいい一日のスタートがきれた」とポジティブな意見が大半を占めています。中には、「ワーカーズサービスのイベントがあるので出社した」という意見もあり、イベントが出社の後押しになっていることが示されました。「WELLCO」のオープンをきっかけに参加者が増加し、社内外の交流が促進されたことで多くの人が自然に集まり、WBCやサークル活動など、たくさんのコミュニティが生まれるという好循環がつくられた、それがこの10年間の成果です。

最後に、山口氏は、これからもその好循環をしっかりと守りながら、オフィスの付加価値の向上と新しいビジネスが生まれる環境を継続してサポートし、多くの人や企業に「阪急阪神ワーカーズサービスがあってよかった」「阪急阪神ワーカーズサービスがあるから阪急阪神のオフィスを選んだ」と言われるよう引き続き努力していくと力強く語り、この講演を終了しました。
【WELLCO見学ツアーの様子】

セミナー参加者(希望者のみ)を対象に、オフィスワーカー専用フロア「WELLCO」の見学ツアーを実施。フロア全体をぐるりと回り、それぞれのエリアでできることや利用できる時間帯などを確認しながら、WELLCOの魅力をたっぷりと感じていただきました。
★WELLCOの詳細はこちら
なお、今回のセミナーはアーカイブ配信でこちらのYouTubeチャンネルからご視聴いただけます。興味をお持ちいただけたらぜひご覧ください。